癌の治療に使用するための化合物
专利摘要:
癌の治療に使用するための一般式Iの化合物またはその塩(式中、Xは、CHまたはNを表し、各R1は、独立に水素または-CH2COR5を表し、R5は、ヒドロキシ、任意にヒドロキシル化されたアルコキシ、アミノまたはアルキルアミドを表し、各R2は、独立に基ZYR6を表し、Zは、結合、または任意に基R7で置換されたC1-3アルキレンもしくはオキソアルキレン基を表し、Yは、結合、酸素原子または基NR6を表し、R6は、水素原子、基COOR8、任意選択で、COOR8、CONR82、NR82、OR8、=NR8、=O、OP(O)(OR8)R7及びOSO3Mから選択される1つまたは複数の基で置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル基であり、R7は、ヒドロキシ、任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキルまたはアミノアルキル基であり、R8は、水素原子、または任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキル基であり、Mは、水素原子または1当量の生理学的に許容可能なカチオンであり、R3は、任意にR7で置換されたC1-8アルキレン基、1,2-シクロアルキレン基、または1,2-アリーレン基を表し、各R4は、独立に水素またはC1-3アルキルを表す)。 公开号:JP2011506434A 申请号:JP2010537900 申请日:2008-12-12 公开日:2011-03-03 发明作者:ティノ・クルツ;ヤン・オロフ・ゲー・カールソン;ロルフ・アンデション 申请人:プレッドファルマ・アーベー; IPC主号:A61K33-32
专利说明:
[0001] 本発明は、癌の治療に使用するための化合物に関する。本発明は、癌を治療するための医薬品の製造における化合物の使用にも関する。また、ヒトまたはヒト以外の身体における癌の治療方法も開示され、前記方法は、上述のような化合物を前記身体に投与することを含む。本発明はさらに、上述の化合物及び細胞保護能力を有する化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、癌を治療するための医薬品の製造における医薬組成物の使用にも関する。] 背景技術 [0002] 欧州特許第0910360号明細書、米国特許第6147094号明細書、欧州特許第0936915号明細書、米国特許第6258828号明細書、欧州特許第1054670号明細書、米国特許第6310051号明細書、欧州特許第1060174号明細書、米国特許第6391895号明細書は、医学におけるジピリドキシル(dipyridoxyl)ベースのキレート剤及びこの金属キレートの使用、ならびに特定のマンガン含有化合物、特にマンガンキレートの使用を開示している。癌療法における細胞保護剤としてのこのような化合物の使用も開示されている。上記の文献は、特定のキレート剤、特にジピリドキシル及びアミノポリカルボン酸ベースのキレート剤、ならびにこれらの金属キレートは、アントラサイクリン心毒性、虚血再灌流損傷及びアテローム性動脈硬化症の治療または予防に有効であることを開示している。ジピリドキシルベースのキレート剤及び三価金属を有するこのキレートは、Taiferroによって以前に報告されている(Inorg.Chem.1984年;23:1183〜1192頁)。] [0003] DPDP(N,N'-ビス-(ピリドキサール-5-リン酸)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸)、及び脱リン酸化対応物PLED(N,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸)は、金属をキレート化することができるジピリドキシル化合物である。これらの化合物のマンガンキレートMnDPDP及びその脱リン酸化対応物MnPLEDは、抗酸化触媒活性、すなわち、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)模倣活性を有することが以前に報告されている。これらの化合物は、例えば、細胞増殖抑制剤ドキソルビシン及び虚血再灌流に対する正常細胞での保護効果を有することが示されている。保護効果を説明するのが、DPDP/PLEDに結合したレドックス活性マンガン(Mn2+/Mn3+)の固有の性質であるSOD模倣活性である(Brurokら、Biochem Biophys Res Commun.1999年;254:768〜721頁)。結果として、Brurok及び共同研究者(1999年)は、レドックス活性マンガンをレドックス不活性亜鉛(Zn2+)で置換した後、PLED金属複合体は触媒活性を失うことを示した。] [0004] Laurentら(Cancer Res.2005年;6:948〜56頁)及びAlexandreら(J Natl Cancer Inst.2006年;98:236〜44頁)は最近、MnDPDP(すぐに使えるMRI造影剤Teslascanに等しい)が、正常細胞の生存を増加させるだけでなく、例えば、オキサリプラチンによる細胞増殖抑制治療中の癌細胞死も増加させることを報告した。細胞増殖抑制剤は、細胞内H2O2の上昇及びアポトーシスの誘発により癌細胞死を引き起こすことができる。Laurentらの仮説は、MnDPDPはこのSOD模倣活性により、細胞内H2O2を上昇させ、故に細胞増殖抑制剤との相乗効果で作用したというものであった。H2O2の基礎レベルは癌細胞に比べて正常細胞でははるかに低いため、著者は、低H2O2レベルからの上昇が正常細胞における細胞生存を誘導することを示唆した。著者はさらに、これと同時に、癌細胞におけるはるかに高いH2O2基礎レベルからの上昇が、アポトーシスシグナル伝達をもたらし、故に細胞死をもたらすことを示唆した。結果として、これらの著者は、両方のこれらの効果、すなわち、癌細胞死の増加及び正常細胞の生存は、MnDPDPのSOD模倣活性(レドックス活性マンガンに完全に依存する活性)により引き起こされることを示唆した。母化合物MnDPDP及びその代謝物MnPLEDの両方のマウスへの静脈注射が、特定の細胞増殖抑制剤に対する保護を生じさせることも示されている(欧州特許第0910360号明細書及び米国特許第6147094号明細書)。] [0005] MnDPDPがヒトに静脈注射される場合、投与されたマンガンの約70%が遊離される。画像診断用途及び時折の治療用途では、MnDPDPからのマンガンの解離は重大な問題を示さない。しかし、より頻繁な使用では蓄積されたマンガン毒性が、特に神経毒性に関する場合、重度の毒物学的問題を示す可能性がある(Crossgrove及びZheng、NMRBiomed.2004年;17:544〜53頁)。故に、癌治療でのように頻繁な治療用途では、マンガンを解離する化合物は避けるべきである。] [0006] 幾つかの抗腫瘍剤は有害な副作用を伴う。例えば、パクリタキセルは、乳房の悪性組織を含むさまざまな悪性組織に対する抗腫瘍活性を示している細胞増殖抑制剤の1つである。しかし、抗腫瘍効果を有するのに必要とされる用量では、パクリタキセルは心臓血管の不整ならびに血液学的毒性及び胃腸毒性を含む幾つかの有害な副作用を有する。特に5-フルオロウラシル(5-FU)と併用したオキサリプラチンは、結腸直腸癌の治療に有効な細胞増殖抑制剤の別の例であるが、この使用は重度の有害な副作用、特に血液学的毒性及び神経毒性により制限される。重度の副作用はまた、癌における放射線療法の使用も制限する。] [0007] 欧州特許第0910360号明細書 米国特許第6147094号明細書 欧州特許第0936915号明細書 米国特許第6258828号明細書 欧州特許第1054670号明細書 米国特許第6310051号明細書 欧州特許第1060174号明細書 米国特許第6391895号明細書] 先行技術 [0008] Taiferro、Inorg.Chem.1984年;23:1183〜1192頁 Brurokら、Biochem Biophys Res Commun.1999年;254:768〜721頁 Laurentら、Cancer Res.2005年;6:948〜56頁 Alexandreら、J Natl Cancer Inst.2006年;98:236〜44頁 Crossgrove及びZheng、NMRBiomed.2004年;17:544〜53頁 Rocklageら、Inorg Chem 1989年;28:477〜485頁 Toftら、Acta Radiol 1997年;38:677〜689頁 Karlssonら、Acta Radiol 2001年;42:540〜547頁 Yehら、Circulation 2004年;109:3122〜3132頁] 発明が解決しようとする課題 [0009] したがって、癌の治療により引き起こされる損傷に対し正常細胞を保護する方法を見出すことに加えて、副作用のほとんどない新たな化学療法剤を見出すという、満たされていない医学的必要性がある。] 課題を解決するための手段 [0010] 本発明は、癌の治療に使用するための癌細胞殺傷能力を有する化合物を提供する。本発明はまた、癌を治療するための医薬品の製造における本発明の化合物の使用も提供する。本発明はさらに、ヒトまたはヒト以外の身体における癌の治療方法も含み、前記方法は、本発明の化合物を前記身体に投与することを含む。上述の化合物、ならびに細胞保護能力、すなわち化学療法剤及び放射線により引き起こされる副作用から癌の治療中に正常細胞を保護する能力を有する第2の化合物を含む医薬組成物も開示される。癌を治療するための医薬品の製造における、本発明の医薬組成物の使用も提供される。本発明はまた、ヒトまたはヒト以外の身体における癌の治療方法にも関し、前記方法は、本発明の化合物を前記身体に投与することを含む。] [0011] 本発明の第1の態様は、癌の治療に使用するための、式I: [式中、 Xは、CHまたはNを表し、 各R1は、独立に水素または-CH2COR5を表し; R5は、ヒドロキシ、任意にヒドロキシル化されたアルコキシ、アミノまたはアルキルアミドを表し; 各R2は、独立に基ZYR6を表し;Zは、結合、または任意に基R7で置換されたC1-3アルキレンもしくはオキソアルキレン基を表し; Yは、結合、酸素原子または基NR6を表し; R6は、水素原子、基COOR8、任意選択で、COOR8、CONR82、NR82、OR8、=NR8、=O、OP(O)(OR8)R7及びOSO3Mから選択される1つまたは複数の基で置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル基であり; R7は、ヒドロキシ基、任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキルまたはアミノアルキル基であり; R8は、水素原子、または任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキル基であり; Mは、水素原子または1当量の生理学的に許容可能なカチオン(例えば、アルカリもしくはアルカリ土類カチオン、アンモニウムイオンまたはメグルミンイオンなどの有機アミンカチオン)であり; R3は、任意にR7で置換された、C1-8アルキレン基、好ましくはC1-6(例えばC2-4)アルキレン基、1,2-シクロアルキレン基、または1,2-アリーレン基を表し; 各R4は、独立に水素またはC1-3アルキルを表す] の化合物またはその塩を対象とし、この化合物は、任意選択で、1つまたは2つのNa+またはK+を有するキレートであるが、1つのNa+と1つのK+の組合せも可能である。] [0012] 本発明の一実施形態では、R5は、ヒドロキシ、C1-8アルコキシ、エチレングリコール、グリセロール、アミノまたはC1-8アルキルアミドであり; Zは、結合、またはCH2、(CH2)2、CO、CH2CO、CH2CH2COもしくはCH2OOCH2から選択される基であり;Yは、結合であり; R6は、モノもしくはポリ(ヒドロキシまたはアルコキシル化)アルキル基または式OP(O)(OR8)R7の基であり;R7は、ヒドロキシ、または非置換のアルキルもしくはアミノアルキル基である。] [0013] 本発明の別の実施形態では、R3はエチレンであり、各基R1は-CH2COR5(R5はヒドロキシである)を表す。] [0014] 本発明の別の実施形態では、式Iの化合物は、N,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸(PLED)である。] [0015] 本発明のさらなる実施形態では、式Iの化合物は、N,N'-ビス-(ピリドキサール-5-リン酸)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸(DPDP)である。] [0016] 本発明の別の実施形態では、癌を治療するための医薬品の製造における、上述のような式Iの化合物の使用が開示される。癌は、いずれのタイプの癌、例えば白血病、乳癌、結腸直腸癌、肝臓癌及びこれらの転移であってもよい。医薬品は、薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含むことができる。] [0017] 本発明の第2の態様は、ヒトまたはヒト以外の身体における癌の治療方法を対象とし、前記方法は、本発明による式Iの化合物を前記身体に投与することを含む。] [0018] 本発明の第3の態様は、上記のような式Iの第1の化合物と、細胞保護能力を有する第2の化合物とを含む医薬組成物を対象とする。] [0019] 本発明の別の実施形態では、医薬組成物に含まれる第2の化合物は、上記のような式Iの化合物を含む金属キレートである。] [0020] 本発明の別の実施形態では、医薬組成物に含まれる金属キレートは、好ましくは108から1024の範囲、より好ましくは1010から1022の範囲、最も好ましくは1012から1020の範囲のKa値を有する。] [0021] 本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物に含まれる金属キレートは、上記のような式Iの化合物を含む鉄(Fe3+)キレートのKa値の少なくとも103分の1のKa値を有する。] [0022] 本発明の別の実施形態では、医薬組成物に含まれる金属キレート中の金属は、マンガン(Mn2+またはMn3+)または銅(Cu+またはCu2+)である。] [0023] 本発明の別の実施形態では、医薬組成物の第1の化合物は、N,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸であり、第2の化合物はN,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸を含む金属キレートである。金属キレート中の金属は、好ましくはマンガンまたは銅である。] [0024] 本発明の好ましい実施形態では、医薬組成物の第1の化合物は、N,N'-ビス-(ピリドキサール-5-リン酸)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸であり、第2の化合物はN,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸を含む金属キレートである。金属キレート中の金属は、好ましくはマンガンまたは銅である。] [0025] 本発明のさらなる実施形態では、本発明による医薬組成物の第2の化合物は、好ましくは、モル基準で第1の化合物の1/100から99/100を構成してよい。] [0026] 本発明のさらなる実施形態では、癌の治療に使用するための本発明による医薬組成物が提供される。] [0027] 本発明の第4の態様では、上記のような式Iの化合物である第1の活性成分の製剤と、上記のような式Iの化合物を含む金属キレートである第2の活性成分の製剤と、任意選択で、それを必要としている患者への製剤の同時、連続または個別投与に関する説明書とを含むキットが提供される。] [0028] 本発明の第5の態様では、癌を治療するための医薬品の製造における本発明による医薬組成物の使用が提供される。癌は、いずれのタイプの癌、例えば白血病、乳癌、結腸直腸癌、肝臓癌及びこれらの転移であってもよい。] [0029] 本発明の別の実施形態では、医薬品が薬学的に許容可能な担体または賦形剤をさらに含む、本発明による医薬組成物の使用が提供される。] [0030] 本発明の第6の態様では、本発明による医薬組成物の癌阻害量を、任意に、薬学的に許容可能な担体及び賦形剤と併用して、癌の治療を必要としている患者に投与するステップを含む、前記患者における癌の治療方法が提供される。] [0031] 本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物が1つまたは複数の他の抗癌剤と一緒に投与される方法が提供される。抗癌剤は、いずれの抗癌剤、例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、オキサリプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、ゲムシタビン、イリノテカン、及びメトトレキセートであってもよい。] [0032] 本発明の別の実施形態では、上記のような医薬組成物と1つまたは複数の他の抗癌剤が、前記患者に同時、連続または個別に投与される方法が提供される。] [0033] 本発明のさらなる実施形態では、治療が放射線療法と併用される、上記のような治療方法が提供される。] [0034] 本発明は、癌を治療するための医薬品の製造における本発明による医薬組成物の使用を含むことも理解すべきである。] [0035] 本発明で使用するための上記のような式Iの化合物は、治療的に活性があり、生理学的に好ましい化合物であることを理解すべきである。] [0036] 本明細書では用語「アルキル」及び「アルキレン」には、直鎖及び分岐鎖、飽和及び不飽和の炭化水素が含まれる。用語「1,2-シクロアルキレン」には、シス及びトランスシクロアルキレン基の両方、ならびに5から8個の炭素原子を有するアルキル置換されたシクロアルキレン基が含まれる。用語「1,2-アリーレン」には、フェニル及びナフチル基、ならびに6から10個の炭素原子を有する、アルキルで置換されたその誘導体が含まれる。] [0037] 特に指定のない限り、いずれのアルキル、アルキレンまたはアルケニル部分も、好都合には、1から20個、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個の炭素原子を含有してよい。] [0038] シクロアルキル、アリール及びアラルキル部分は、好都合には、3〜18個、好ましくは5〜12個、特に好ましくは5〜8個の環原子を含有してよい。フェニルまたはナフチル基を含むアリール部分が好ましい。アラルキル基としては、フェニルC1-8アルキル、特にベンジルが好ましい。] [0039] 基が任意にヒドロキシル基で置換され得る場合、これは一置換または多置換であってよく、多置換の場合、アルコキシ及び/またはヒドロキシル置換基はアルコキシ置換基により運ばれてよい。] [0040] 式Iでは、R5は好ましくは、ヒドロキシル、C1-8アルコキシ、エチレングリコール、グリセロール、アミノまたはC1-8アルキルアミドである。好ましくは各基R1は、-CH2COR5(R5はヒドロキシである)を表す。] [0041] 式Iの化合物では、Zは好ましくは、結合、またはCH2、(CH2)2、CO、CH2CO、CH2CH2COもしくはCH2COCH2から選択される基であり、Yは結合を表す。] [0042] 式Iの化合物は、2つのピリジル環上に同一のまたは異なるR2基を有することができ、これらは同一のまたは異なる環位置に結合することができる。しかし、置換は、5位及び6位、最も特別には6位(すなわちヒドロキシル基に対してパラ位)にあることが特に好ましい。R2基が同一であり、同位置にある(例えば6,6'の)化合物が特に好ましい。] [0043] R6としては、モノもしくはポリ(ヒドロキシまたはアルコキシル化)アルキル基または式OP(O)(OR8)R7の基が好ましい。] [0044] R7は好ましくは、ヒドロキシルまたは非置換のアルキルもしくはアミノアルキル基である。] [0045] 基R2に対する特に好ましい同一物には、CHR7OCO(CH2)xPh及びCHR7OCO(CH2CO)xPh(xは1から3)、CHR7OCOBut、CH2N(H)R6'、N(H)R6'、N(R6')2、CH2OH、CH2OR6'、COOR6'、CON(H)R6'、CON(R6')2もしくはOR6'(R6'はモノまたはポリヒドロキシル化された、好ましくはC1-4、特に好ましくはC1-3アルキル基)、(CH2)nCOOR7'(nは1から6)、COOR7'(R7'はC1-4アルキル、好ましくはC1-3、特に好ましくはメチル基)、CH2OSO3M、CH2CH2COOH、CH2OP(O)(OH)(CH2)3NH2、CH2OP(O)(OH)CH3またはCH2OP(O)(OH)2基が含まれる。さらにより好ましくは、R2は式CH2OP(O)(OH)2の基を表す。] [0046] R3がエチレンであり、R2が上記に列挙されたいずれかの同等物を有する式Iの化合物が特に好ましい。] [0047] 本発明の医薬組成物及び本発明のキットに含まれる製剤は、従来の薬学的または獣医学的製剤補助剤、例えば安定剤、抗酸化剤、浸透圧調節剤、緩衝剤、pH調節剤等と共に処方されてよく、非経口または腸内投与、例えば注射または点滴に適した形態であってよい。故に本発明の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁液、分散剤、シロップ、座剤等などの従来の薬学的投与形態であってよい。] [0048] したがって、式Iの化合物及び式Iの化合物を含む金属キレートは、当業者に十分知られた方法で生理学的に許容可能な担体及び/または賦形剤を用いて投与用に処方することができる。式Iの化合物及び式Iの化合物を含む金属キレートは、例えば水性媒体において、任意に薬学的に許容可能な賦形剤を添加して、懸濁または溶解することができる。] [0049] 本発明による医薬品及び医薬組成物は、さまざまな経路により、例えば経口、経皮、直腸、髄腔内、局所、または吸入もしくは注射、特に皮下、筋肉内、腹腔内または血管内注射を用いて、投与することができる。他の投与経路は、これが製品の効果、バイオアベイラビリティまたは認容性を高める場合に想定され得る。最も適切な経路は、使用される製剤に従って当業者により選択され得る。] [0050] 患者に投与される医薬品の癌阻害量は、癌のタイプ、患者の年齢及び体重等などの複数の異なる要因に依存し、担当医は臨床検査に基づき必要に応じて用量を調節するため治療を追跡することになる。] [0051] 一般的に本発明による医薬組成物中の活性化合物(すなわち、第1及び第2の化合物)の用量は、患者の体重キログラム当たり化合物0.01μmolから患者の体重キログラム当たり化合物100μmolの間を含むであろう。] [0052] したがって、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物、特にDPDPまたはこの脱リン酸化対応物DPMP及びPLEDを含むことができ、単独で、または他の細胞増殖抑制剤もしくは放射線療法と併用して、さまざまな癌疾患を治療する方法を示している。] [0053] 本発明によるキレートの不安定水素の全てが錯体金属イオンで置換されるわけではない場合、キレートの生物認容性及び/または可溶性は、残りの不安定水素原子を無機及び/または有機塩基もしくはアミノ酸の生理学的生体適合性カチオンで置換して増加させることができる。適切な無機カチオンの例には、Li+、K+、Na+、特にCa2+が含まれる。適切な有機カチオンには、アンモニウム、置換アンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N,N,-ジメチルグルカミン、リジン、アルギニンまたはオルニチンが含まれる。] [0054] 本発明による第1または第2の化合物が全体的な電荷を帯びている場合、該化合物は好都合には、生理学的に許容可能な対イオン、例えばアンモニウム、置換アンモニウム、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)カチオン、または無機もしくは有機酸に由来する陰イオンを有する塩の形態で使用することができる。この点で、メグルミン塩が特に好ましい。] [0055] 本発明の治療剤は、従来の薬学的または獣医学的製剤補助剤、例えば安定剤、抗酸化剤、浸透圧調節剤、甘味剤等と共に処方されてよい。] [0056] 先述の通り、本発明は、癌の治療に使用するための上記のような式Iの化合物を提供する。本発明者がMnDPDP及びDPDPを比較したとき、驚くべきことに、癌細胞を殺傷する能力においてDPDPはMnDPDPよりも有効であることを見出し、本発明者は以前に記載されたMnDPDPの癌細胞殺傷能力は、DPDPの固有の特性であると結論した。本発明は故に、マンガンの遊離に関連した毒性問題を回避しながら、癌の治療に使用するための新規化合物を提供する。] [0057] 化合物は、先述の通り、細胞保護能力を有する第2の化合物と併用して使用することもできる。本発明の1つの実施形態では、細胞保護能力を有する化合物として式Iの化合物を含む金属キレートの使用が記載される。この金属キレートは、驚くべきことにMnDPDPよりもはるかに安定であることが見出され、金属遊離の問題はこれにより回避される。故に癌治療に適した薬剤の組合せが示される。] [0058] ヒトへの投与後のMnDPDPの安定性は、DPDP及びMn2+及び他の競合する金属、主に非レドックス活性Zn2+(Mn2+間よりもDPDPに対し高い親和性を有する)の間の安定度定数に主に支配される従来技術と一致する(Rocklageら、Inorg Chem 1989年;28:477〜485頁及びToftら、Acta Radiol 1997年;38:677〜689頁)。ヒトにおける静脈注射後、Mn2+の解離に加えて2つのリン酸がDPDPから加水分解され、PLEDを生じさせる。静脈注射直後、注射されたMnDPDPの約30%はMnPLEDに変換され、及び従来技術(Toftら、1997年)により、Mn2+はPLEDからも(実際、DPDPからよりも容易に)解離されるであろう。MnPLEDのこのような挙動は、文献で報告されている安定度定数(Rocklageら、1989年)により高度に支持される。] [0059] しかし、以前に発表された結果の再解釈は、実は、インビボ条件の間、MnPLEDはMnDPDPよりもはるかに安定である(金属安定性に関して)ことを示唆する可能性がある。Toftら(1997年)による試験から採取されたヒト血漿濃度データが再計算される場合、MnDPDP及びこの5つの代謝物の血漿からの消失は、(最初の分布相後)30から60分間のMnPLEDの消失に大体匹敵することが見られた。これらの化合物は全て腎排泄を通じて身体から排除され、及びマンガンがMnPLEDから解離される場合、これらの2つのプロセスはこの期間に分岐したことが予期される。この初見は、MnPLEDがインビボ条件では安定であることを示唆している可能性がある。] [0060] Mn2+及びFe3+について報告されている安定度定数を考慮すると、実施例3での結果は、Mn2+の解離に関して言えば、MnPLEDはMnDPDPよりもはるかに安定であるという矛盾した示唆を極めて明白にさらに支持する。標的細胞及び組織は、5μMより高いMnPLED濃度(すなわち、MnPLEDが安定であると期待される濃度)には曝露されないであろうことが、薬物動態データからさらに予期され得る。] [0061] 本発明は、MnPLEDがMnDPDPよりもはるかに安定であることを示し、最も重要なことは、母物質MnDPDPの代わりにMnPLEDを用いることで、ヒトにおける頻繁な治療用途で明白な重大な毒物学的マンガン問題を回避できる可能性がある。] [0062] さらに、マウスにおけるMnPLEDによる前治療は、MnDPDPよりも約100倍有効であることが示されている(欧州特許第0910360号明細書及び米国特許第6147094号明細書)ことが強調されるべきである。これは、MnDPDPと比べてMnPLED用量がかなり低かった可能性があり、これが医薬組成物の毒物学的潜在性をさらに減少させ、故に治療指数をさらに増加させたであろうことを示唆する。さらに、MnDPDP増強画像診断で使用されるもの(5〜10μmol/kg)より低い用量のMnPLED(3μmol/kg)は、ブタにおける梗塞サイズを減少させることが示されており(Karlssonら、Acta Radiol 2001年;42:540〜547頁)、及びさらにはるかに低い用量が同じ動物モデルにおいて有効であることが実証されている(未発表データ)。] [0063] 興味深いことに、MnDPDPはブタにおける梗塞サイズを減少させなかった。これは恐らく、ヒトと比べてブタではマンガンがはるかに急速に亜鉛と置換されることによる。MnDPDP注射の10分後、マンガンは全て亜鉛と置換された(Karlssonら、2001年)。これは、注射されたマンガンの約30%がかなりの時間、キレート剤に結合したままであるヒト(及び幾つかの他の調査された種)とは異なる。先述の通り、正常細胞の保護(この場合心筋細胞)はレドックス活性マンガンに依存する。従来技術によれば(Rocklageら、1989年)、Mn2+とDPDP間の安定度定数は15.10(logK)であるのに対し、Zn2+とDPDP間の安定度定数は18.95であり、すなわち、Mn2+はZn2+よりも約1000倍容易にDPDPから解離する。Mn2+とPLED間及びZn2+とPLED間の対応する安定度定数は、それぞれ12.56及び16.68であり、すなわち、Mn2+はこの場合もやはりZn2+よりも約1000倍容易に解離する。このこと及び公表されている代謝スキーム(Toftら、1997年)から、ブタへの投与後、亜鉛とのマンガンの交換に関しては、MnDPDPとMnPLEDの間にいずれかの重大な安定性の違いを予期することはないであろう。MnPLEDの投与後に見られた上述の梗塞の減少(だがMnDPDP後ではない)は、故に矛盾した初見である。しかし、特許実施例3で例証されるように本発明は矛盾に対する妥当な説明、すなわちMnPLEDはMnDPDPよりも安定な錯体であることを考えつき、最も重要なことは、これがマンガンの不安定性に関する毒物学的問題を解決する点である。] [0064] 正常細胞及び組織に関するMnPLEDの細胞保護活性とDPDPの抗癌活性を併用する利点は、アントラサイクリン心毒性に対する心臓保護剤としてデクスラゾキサンを用いる問題により例証することができる。アントラサイクリンの抗癌効果を減少させる可能性があるため、決して明らかとは言えないが、デクスラゾキサンは転移性乳癌患者におけるアントラサイクリン療法の開始時には推奨されない(Yehら、Circulation 2004年;109:3122〜3132頁)。しかし、MnDPDPについて本発明者及び他の者により示されたように、本発明者のアプローチに関して言えばこれは問題にならないことを、前臨床データが極めて明白に示している。これに対する1つの考えられる説明は、MnDPDPの2つの特徴的及び固有の活性、すなわち抗癌活性及び細胞保護活性であり、これは、本発明者の発明でさらに2つの特徴的な化学物質、すなわち抗癌活性を有するDPDP、及び正常細胞及び組織において細胞保護活性を有するMnPLEDにさらに分けられた。] 図面の簡単な説明 [0065] MnDPDP、DPDP、オキサリプラチンまたはDPDP+オキサリプラチン無し(対照)及び有りでのヒト結腸癌SW480細胞に関するMTTアッセイを示す図である(平均±SD;n=3)。 MnDPDP、DPDP、オキサリプラチンまたはDPDP+オキサリプラチン無し(対照)及び有りでのネズミリンパ腫J774細胞に関するMTTアッセイを示す図である(平均±SD;n=3)。 SW620、HCT-8及びhTERT-RPE1細胞におけるオキサリプラチン濃度を増加させる細胞増殖抑制効果を示す図である(平均±SD;n=3)。 SW620細胞における単独またはMnDPDPもしくはDPDPと併用した低濃度オキサリプラチンの細胞増殖抑制効果を示す図である(平均±SD;n=3)。 HCT-8細胞における単独またはMnDPDPもしくはDPDPと併用した低濃度オキサリプラチンの細胞増殖抑制効果を示す図である(平均±SD;n=3)。 hTERT-RPE1細胞における単独またはMnDPDPもしくはDPDPと併用した低濃度オキサリプラチンの細胞増殖抑制効果を示す図である(平均±SD;n=3)。 さまざまな濃度のDPDP、MnDPDP及びMnPLED存在下でのフェントンアッセイを示す図である(平均±SD;n=3)。(A)対照は実験と平行して及び実験の最後に行われた(平均±SD;n=3)。 対照も鉄(-Fe)無し、鉄キレート剤デスフェリオキサミン(15μMDFO)またはヒドロキシルラジカルスカベンジャーDMSO(10% DMSO)有りを含む図である(平均±SD;n=3)。] 実施例 [0066] (実施例) 本発明はこれより、以下の非限定例によりさらに実証及び記載される。例は本発明を例証するのみであることを理解すべきであり、本発明はこれらに限定されるべきでない。] [0067] (実施例1) DPDP及びMnDPDPの細胞増殖抑制活性は、MnDPDP、DPDP及び/またはオキサリプラチンと共にヒト結腸癌細胞(SW480)及びネズミリンパ腫細胞(J774)を共インキュベートして比較した。] [0068] 方法 細胞の生存度はMTTアッセイを用いて測定した。簡単には、ウェル当たり20,000個のSW480またはJ774細胞を96ウェルプレートに播種し、10%ウシ胎児血清、2mM Lグルタミン、100UI/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン含有ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において、5%CO2を有する加湿空気で37℃で一晩増殖させた。細胞を次いで37℃で50μM MnDPDP、50μM DPDPまたは10μMオキサリプラチンに24時間曝露した。50μM DPDPと10μMオキサリプラチンとの併用が生存度に与える影響もテストした。細胞の生存度は、次いで5mg/mlメチルチアゾールテトラゾリウム(MTT)を最終濃度0.5mg/mlになるまで添加し、及び細胞をさらに4時間、37℃でインキュベートして評価した。生存細胞のミトコンドリア脱水素酵素により形成される青色ホルマザンを、次いで10%SDS及び10mM HClを最終濃度5%SDS及び5mM HClになるまで添加し、一晩37℃で溶解した。最後に、溶液の吸収を、プログラムSoftmax Pro V1.2.0(Molecular Devices社、Sunnyvale、CA、USA)を実行するApple Macintoshコンピュータに接続したマイクロプレートリーダーSpectramax 340(Molecular Devices社、Sunnyvale、CA、USA)において、670nmを基準として570nmで読み取った。] [0069] 結果 50μMDPDPの細胞増殖抑制活性は、ヒト結腸SW480細胞では50μM MnDPDPよりも統計的に有意に有効であった(対応のないt検定)(図1)。統計的に有意ではないが(p<0.07)、オキサリプラチンと併用したDPDPは、SW480細胞ではオキサリプラチン単独よりも強力になる傾向があった。ネズミリンパ腫J774細胞における50μM MnDPDP及び50μM DPDPの対応する細胞増殖抑制活性は図2に示されており、この図から明らかなように、DPDPはMnDPDPよりもリンパ腫細胞の殺傷が有意に有効であった。さらに、オキサリプラチンと併用したDPDPは、オキサリプラチン単独よりも有意に有効であった。] [0070] 結論 MnDPDP及びDPDPを比較した場合、驚くべきことに、癌細胞を殺傷する能力においてDPDPはMnDPDPよりも有効であることが見出され、以前に記載されたMnDPDPの癌細胞殺傷能力は、DPDPの固有の特性であると結論された。] [0071] (実施例2) オキサリプラチン無し及びオキサリプラチン有りでのMnDPDPまたはDPDPの細胞増殖抑制活性は、ヒト腺癌細胞(SW620)、ヒト回盲直腸結腸腺癌細胞及び正常な網膜上皮テロメラーゼ不死化細胞(hTERT-RPE1)においてテストした。] [0072] 方法 HCT-8細胞を、ピルビン酸ナトリウム(1mM)及び10%ウマ血清を有するRPMI1640培地で増殖させた。SW620は、10%ウシ胎児血清を有する、ATCC処方したLeibovitz's L-15培地で増殖させた。細胞は5%二酸化炭素を含有する加湿環境で37℃で保管した。細胞を実験用途のため対数期で回収した。蛍光分析ミクロ培養細胞毒性アッセイ(fluorometric microculture cytotoxicity assay)(FMCA)を用いてオキサリプラチン、MnDPDPまたはDPDP及びこれらの組合せの細胞増殖抑制活性を調査した。FMCAは、インタクトな血漿膜を有する細胞によるフルオレセインへのフルオレセインジアセテート(FDA)の加水分解から生成された蛍光の測定に基づく。簡単には、96ウェルマイクロタイタープレートを、所望の薬剤濃度の10倍で薬剤溶液により新たに3通り調製した。細胞懸濁液を、ウェル当たり20,000細胞を有する薬剤調製済みプレートに播種し、次いでプレートを72時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄し、FDAを添加し、及び50分間のインキュベーション後に生成された蛍光(励起480nm)を、蛍光光度計(Fluorostar Optima、BMG Technologies社)で538nmにて測定した。蛍光は、ウェル壁に存在するインタクトな血漿膜を有する細胞数に比例する。] [0073] 結果 癌細胞(SW620及びHCT-8)及び正常細胞(hTERT-RPE1)におけるオキサリプラチン濃度を増加させる細胞増殖抑制活性は、図3Aに示されている。オキサリプラチンは、両方の癌細胞系では濃度依存性の細胞増殖抑制効果を示したが、正常細胞では最高濃度でわずかな効果のみであった。MnDPDPもDPDPも、これらの細胞のいずれかではいかなる細胞増殖抑制効果も示さなかった(不図示)。しかし、MnDPDPではなく100μM DPDPは、両方の癌細胞系において低濃度(8μM)オキサリプラチンの細胞増殖抑制効果を有意に(対応のないt検定)増強したが、正常細胞では増強しなかった(図3B〜D)。] [0074] 結論 MnDPDP及びDPDPを比較した場合、驚くべきことに、オキサリプラチンの癌殺傷能力を高める能力においてDPDPはMnDPDPよりもはるかに有効であることが見出され、以前に記載されたMnDPDPの癌細胞殺傷能力は、DPDPの固有の特性であると結論された。] [0075] (実施例3) キレート剤DPDP、金属錯体MnDPDP及びMnPLEDをフェントンアッセイにおいて鉄と競合可能にして、MnDPDP及びMnPLEDの安定性を比較した。] [0076] 方法 第二鉄(10μM)を、150mM酢酸緩衝液でシステイン(100μM)により第一鉄形態へ部分還元した。H2O2(100μM)を添加してヒドロキシルラジカル(HO・)の生成を開始した。後者は、H2DCF(非蛍光2',7'-ジクロロジヒドロフルオレセイン;5μM)を蛍光DCF(2',7'-ジクロロフルオレセイン)に酸化させる。H2DCFはこの酢酸エステル(H2DCF-DA)を加水分解して得た。DMSO(10%)及びDFO(10μM)を用いて、それぞれHO・の形成及び鉄の関与を示した。さまざまな濃度でのDPDP、MnDPDP及びMnPLEDを、鉄キレート能力についてアッセイした。蛍光は、FL600 Microplate Fluorescenceリーダー(Bio-Tek社、Winooski、VT、U.S.A.)においてex 485nm及びem 530nmで測定した。] [0077] 結果 図4は、DPDPがフェントン反応を用量依存的に阻害したことを示している。阻害は0.1μMで開始し、10μMで終了した。阻害パターンは、報告されている第二鉄に対するDPDPの高い親和性(logK=33.52)に一致した。しかし、MnPLEDの場合、濃度5μMまで及び濃度5μMを含め、阻害は明らかでなかったが、10μMで阻害が終了した。MnDPDPの鉄キレート能力はMnPLEDよりも有意に高かった。] [0078] 結論 本結果は、報告されているMnDPDP及びMnPLEDの鉄及びマンガンキレート能力の両方から予期するものと反対であり、極めて驚くべきものである。Fe3+とDPDP間及びFe3+とPLED間の報告されている安定度定数は、それぞれ33.52及び36.88(logK)であるのに対し、Mn2+とDPDP間及びMn2+とPLED間の報告されている安定度定数は、それぞれ15.10及び12.56(Rocklageら、1989年)である。故にMnPLEDはMnDPDPよりもフェントン反応のはるかに優れた阻害剤であることが予期される。]
权利要求:
請求項1 癌の治療に使用するための、式I:の化合物またはその塩。[式中、Xは、CHまたはNを表し、各R1は、独立に、水素または-CH2COR5を表し;R5は、ヒドロキシ、任意にヒドロキシル化されたアルコキシ、アミノ、またはアルキルアミドを表し;各R2は、独立に、基ZYR6を表し;Zは、結合、または任意に基R7で置換されたC1-3アルキレンもしくはオキソアルキレン基を表し;Yは、結合、酸素原子または基NR6を表し;R6は、水素原子、基COOR8、任意選択で、COOR8、CONR82、NR82、OR8、=NR8、=O、OP(O)(OR8)R7、及びOSO3Mから選択される1つまたは複数の基で置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキル基であり;R7は、ヒドロキシ基、任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキルまたはアミノアルキル基であり;R8は、水素原子、または任意にヒドロキシル化され、任意にアルコキシル化されたアルキル基であり;Mは、水素原子または1当量の生理学的に許容可能なカチオンであり;R3は、任意にR7で置換されたC1-8アルキレン基、1,2-シクロアルキレン基、または1,2-アリーレン基を表し;各R4は、独立に水素またはC1-3アルキルを表す。] 請求項2 R5が、ヒドロキシ、C1-8アルコキシ、エチレングリコール、グリセロール、アミノ、またはC1-8アルキルアミドであり;Zが、結合またはCH2、(CH2)2、CO、CH2CO、CH2CH2CO、及びCH2COCH2から選択される基であり;Yが、結合であり;R6が、モノもしくはポリ(ヒドロキシまたはアルコキシル化された)アルキル基、または式OP(O)(OR8)R7の基であり;R7が、ヒドロキシ基、または非置換のアルキル基もしくはアミノアルキル基である、請求項1に記載の化合物。 請求項3 R3がエチレンであり、各基R1が-CH2COR5(式中、R5はヒドロキシである)を表す、請求項1または2に記載の化合物。 請求項4 N,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。 請求項5 N,N'-ビス-(ピリドキサール-5-リン酸)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。 請求項6 癌を治療するための医薬品の製造における、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。 請求項7 ヒトまたはヒト以外の身体における癌の治療方法であって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式Iの化合物を前記身体に投与するステップを含む、方法。 請求項8 請求項1〜5のいずれか一項に記載の式Iの第1の化合物と、細胞保護能力を有する第2の化合物とを含む医薬組成物。 請求項9 第2の化合物が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む金属キレートである、請求項8に記載の医薬組成物。 請求項10 前記金属キレートが108〜1024の範囲のKa値を有する、請求項8〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項11 前記金属キレートが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む鉄(Fe3+)キレートのKa値の少なくとも103分の1のKa値を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項12 金属がマンガン(Mn2+またはMn3+)または銅(Cu+またはCu2+)である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項13 第1の化合物がN,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸であり、第2の化合物がN,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸を含む金属キレートである、請求項8〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項14 第1の化合物がN,N'-ビス-(ピリドキサール-5-リン酸)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸であり、第2の化合物がN,N'-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N'-二酢酸を含む金属キレートである、請求項8〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項15 第2の化合物が、モル基準で、第1の化合物の1/100から99/100を構成する、請求項8〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項16 癌の治療に使用するための、請求項8〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項17 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物である第1の活性成分の製剤と、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物を含む金属キレートである第2の活性成分の製剤と、任意に、それを必要としている患者への製剤の同時、連続または個別投与に関する説明書とを含むキット。 請求項18 癌を治療するための医薬品の製造における、請求項8〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。 請求項19 医薬品が薬学的に許容可能な担体または賦形剤をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物の使用。 請求項20 請求項8〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物の癌阻害量を、任意に薬学的に許容可能な担体及び賦形剤と併用して、癌の治療を必要としている患者に投与するステップを含む、患者における癌の治療方法。 請求項21 医薬組成物が1つまたは複数の他の抗癌剤と一緒に投与される、請求項20に記載の方法。 請求項22 請求項8〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物と1つまたは複数の他の抗癌剤とが、前記患者に同時、連続または個別に投与される、請求項21に記載の方法。 請求項23 治療が放射線療法と併用される、請求項20に記載の方法。
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引用文献:
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